2010年3月25日木曜日

アイデンティティとレゾンデトール

こんにちは。

意外に思う人が大半でしょうけど、ぼくは文筆関係の仕事ですので、文章とか言葉にかなりこだわりを持っています(その割には稚拙だね。。。て言わないでください><)。今日は自分にとって気になる単語、「レゾンデトール」を取り上げてみます。

レゾンデトール。フランス語RAISON D'ETREですから、正確な発音はレゾンデトーでしょうか?「存在理由」と訳されますが、レゾンデートルというカタカナ日本語として考えたほうがいいかもしれません。ぼくはこの単語をかなり頻繁に使用します。おそらく日本の古典文学や哲学書でよく見かけたため、頭に刷り込まれているんでしょうね。この単語は、自分がここに存在する理由を考えなければならないシチュエーションでよく使われます。生きる意味とか価値というよりは、仕事にせよプライベートにせよ、もっと広い意味で自分が今ここに存在するのはなぜなのか?その問いかけに対する理由を指します。

ときどきアイデンティティと同じ意味で使用する人がいますが、それは誤りです。アイデンティティは、心理学上、「自己同一性」と言われ、日本語にするとさっぱり訳がわかりませんが、英語のIdentityであり、動詞がidentifyであり、業務システムであれブログであれゲームであれ必ず登場する、ユーザーID、パスワードのIDがIDentifier(識別子)という派生語のひとつであることを考えてみれば直感的にわかるはずです。ユーザーIDのIDの意味するところ、「自分が自分であることを識別できる、あるいは他人から識別できる」ことですね。レゾンデトールとは似て非なるものです。

ただひとつだけ言えるのは、この片方でも欠けると、生きていく上で大きな障害になる点です。一時的に失うことがあっても必ず取り戻さないと困ったことになります。「自分を見失う」という表現が日本語にはありますが、まさにそのような事態になるからです。

さて、なぜこんなお堅い話をしたのかと言いますと、実際の人生がそうであるように、いや多くの場合否応なしに生きることを強いられるリアルライフよりはるかにセカンドライフで生きるほうがの2つを求められるということです。

セカンドライフはゲームではありません。メタバースと呼ばれる、仮想世界です。モンスターを倒すとか、レベルアップするとか、GMによって決められた目的はありません。自分でやりたいことを探す、そしてやりたいことはほぼ何でもやれる世界です。もちろん暴力その他、ルールや規制はありますが、リアルライフに法律があるのと同じですね。ですが、何でもやれるということは、何もやらないでもすむことの裏返しでもあります。無課金も可能とはいえ、何もしないためにわざわざログインして時間をつぶす人間はいないでしょうから、ログインしてSLの世界に身を置く以上、レゾンデトールは不可欠です。またそういう自分を認識するというアイデンティティも欠かせません。これが欠落したとき、すなわち「自分は何のためにここにいるのだろう?」という問いかけに答えられなくなったとき、この仮想世界から足が遠のくわけです。

今、ぼくがその状態ですね。SLにインする頻度ががくんと落ちていますが、リアルが忙しいとかそういう理由ではありません。SLにおけるレゾンデトールを一時的に失っているためです。ですが、ぼくの場合、こういうことは周期的に訪れていて、ずっと失っているわけではありません。もうそろそろ見つかりそうな頃合いです(笑)。さて、今度はどんな格好をしていることやら・・・。

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